表の世界には決して出ることの無いB級絵師たちを紹介する茶番劇、Bの茶番たち。
本日紹介する絵師は、令和を代表する裏社会のフィクサーことサトウ・イチローです。
絵師と筋モンという二足の草鞋を履くイチローは、裏社会の様々な人達と盃を交わします。
そして46歳の時、それなりの地位に就いたイチローは裏社会の日本統一を企てます。
彼のやり方は非常にシンプルでした。
今後 敵になるであろう人物と盃を交わし、親密な関係を作りあげ、隙を見て殺害 というものでした。
しかしこのイチローの筋違い殺人を他の組織が見過ごすはずはありません。すぐに抗争へと発展していきます。
俗にいう “マジっすか抗争” です。
血で血を洗う抗争は48日間も続きます。
多数の死傷者を出したこの抗争にイチローは見事勝利し、裏社会の日本統一を果たすのでした。
そんな裏社会を束ねたイチローにはある思いがあります。
それは盃事へ対する感謝でした。
「自分が裏社会を統一する為に利用した盃事だけには頭が上がりません」これはイチローが以前周囲に発していた一言です。
この発言の通り、イチローは一日一万回 感謝の盃を飲み干す行為を欠かしませんでした。
気を整え、拝み、祈り、酒を注いで、呑む。
一連の動作を一回こなすのに10秒。
一万回を呑み終える頃には一日以上の時間を費やした。
呑み終えれば倒れるように寝る。
そして起き、また呑むを繰り返す日々。
二年を過ぎた頃、
異変に気付く、
手が震えて酒が注げない!
イチローはアル中になっていた。
そんな彼がアル中になる前に描いた最後の作品、それこそが本日の一枚。
“オジキ観音 ~SAKAZUKI~”
優美なオジキ顔の観音様から繰り出される一升瓶。
盃を交わした瞬間に勝負はついた、そう思わせるイチローならではの作品である。
アル中となった彼の晩年の口癖が「オジキ!俺に行かせてください観音様!」だった事から、オジキと観音様を勝手に混同していたのかもしれません。
Bの茶番たちは クオリティー ウィズ サプライズ 佐藤イチローの提供でお送りしました。