許せなかった。
おっぱいについて、あんなに熱く語っていた先輩が童貞だったなんて。
そんな奴のおっぱい理論をメモまで取って、予習 復習までしていた自分が情けなく感じた。
あの日、西棟の屋上で別れを告げてから、3日が過ぎていた。
僕はやさぐれていた。
毎日の日課だった、放課後のおっぱい観察もあれからやっていない。
理由は簡単だ。
おっぱい観察をすると、池下先輩のことを思い出してしまうからだ。
なんならおっぱいに費やした時間を、別の何かに充てとけば良かったとさえ思った。
そんな僕の前に再び池下先輩が現れた。
池「よぉ!」
僕「ふんっ!気安く話しかけないでくれます?」
池「、、、お前さ、何か勘違いしてねぇ?」
僕「何がですか?生おっぱいを見たことも触ったことも無い童貞のくせして、おっぱいについて うんちく語るような おっぱい詐欺師に文句言われる筋合いはありませんよ!」
僕は毅然とした態度で先輩に言った。
すると先輩は、僕を小馬鹿にしたような目で見てクスリと笑った。
「何が可笑しいんですか?」
腹の立った僕は思わず大きな声をだして聞いた。
すると先輩は真面目な顔して答えた。
「おっぱいを語ることと童貞に何の関係がある?たった一人の人間とエッチをすればそいつは童貞じゃない。たかだか一人のおっぱいを知ったからといって、全てのおっぱいを理解したとでも?」
衝撃的だった。
なぜなら先輩の言っていることは正論そのものだったからだ。
しかし、それでも僕はまだ釈然としていなかった。
なにより先輩に殴られたことにより、僕の中で先輩を否定してやろうという思いが込み上げてきた。
「じゃあ先輩はどうやって数多くのおっぱいを見てきたっていうんですか?」
感情むき出しの僕の質問に先輩は無言でうつむいた。
さらに僕は続けた。
「先輩がおっぱいに詳しいってこと証明できるモノが無い限り、俺 納得しませんから!」
僕の宣言を聞いた先輩は、深呼吸をしたあと静かに答えた。
【インターネットが一般的に普及していなかった当時、大人のHなビデオは思春期メンズの中で重宝されていたのだ】
僕「いったいどうやってそんなHなビデオを、、、」
池「年上をなめるな!」
僕「く、、、」
池「今日はこのビデオを見て学ぼうかと思ったんだが、やめといた方がよさそうだな、、、」
僕「えっ、、、、」
池「生おっぱいを知らない俺みたいな奴が持ってるビデオなんて、見たくもないよな?」
僕「、、、、、、、」
続く ➡ ③おっぱいだけ見つめてる ~先輩と出会った日から 今でもずっと~