クリスマスが近づき街はイルミネーションで彩られ、リア充に陽キャそしてカップル達は年末を楽しんでいる。
そんな中 陰キャの僕は部屋で一人小説を読んでいた。
ん、、、
「チッ!難しい熟語使って訳わかんない理屈で調子こいてんじゃねーよ!」そう言うと僕は本を投げ横になった。
しばらく天井を見つめイライラも落ち着いた頃、僕はふと思った。
あれ、、? 実は俺ってバカなんじゃね?と。
しかしプライドの高さがマウント富士の僕はその事実を受け入れられなかった。
もしかしたらバカなんじゃなく無知なだけかもしれない。
そう考え僕はスマホで無知と検索した。
すると【無知の知】というワードが出てきた。
いろいろ調べてみるとソクラテスとかいう奴の言葉らしく、分かりやすく言うと「知らないことを自覚しろ」という意味だ。
へー生意気じゃん!自分が知らない事実を知ってマウント取ってんだコイツ。
更に調べてみると【問答法】というワードが出てきた。
どうやらソクラテスは質問しまくることで相手の無知を暴いていたらしい。
コイツ相当生意気じゃねーか!
気持ちよく語ってる相手に、無知を自覚してるだけの奴が調子こいて質問攻めかよ!
どんな面してんだコイツ!?
僕はそう思いながらソクラテスの顔を検索した。
ブスで草www
明らかに僕よりブスだった。
気分を良くした僕は
「Hey Siri!俺とソクラテスどっちがイケメン?」
と意気揚々と問いかけた。
するとSiriは
「さぁ、どうでしょうね」
という気の利かないアイドル顔負けの塩対応。
イラッとした僕は強い口調で質問した。
「Hey Siri!ソクラテスはブスだよな?」
「、、、、、、、。」
返事がない、ただの屍のようだ。
なんと Siri は黙秘権の行使にでたのだ。
チッ!最近のA I 生意気すぎ!
ソクラテスに忖度する Siri のせいで気分を悪くした僕は、全てのイラつきをソクラテスにぶつけてやろうとウルトラハイパーアレクサ(通称アレクサ)に話しかけた。
「アレクサ!ソクラテスのいる時代にスマートタイムマシーンをセットして!」
「かしこまりましたイチロー様!具体的にいつぐらいでしょうか?」
「そうだな、ソクラテスが一番調子こいてる時代にしてくれ!」
僕のお願いから10秒ほどしてアレクサが返事をした。
「申し訳ございませんイチロー様、ソクラテスは常時調子に乗ってるもようです」
「何だって?あのブス自分が無知を自覚しているだけでそんなに調子乗ってるのかよ?」
「はい!問答法を使って24時間常にイキり散らかしてます!」
アレクサの言葉を聞き、僕は言葉を失うと同時にソクラテスのプライドをへし折ってやる決意を固めた!
「アレクサ!もう一度確認したいんだけど、ソクラテスのブスは常時イキってんだよな?」
「はい!しかしイチロー様、正確にはソクラテスが有名になってからの情報しかない為、それ以前の彼がイキっているかは分かりません」
なるほど、、、どうせ潰すなら早いうちがいいか、、
「OK!アレクサ!ソクラテスが有名になる前の時代にセットしてくれ!」
「かしこまりましたイチロー様!」
アレクサがスマートタイムマシーンのセットをしている間、僕はホットコーヒーを飲みながら漫画を読んでいた。
暫くしてセットを完了したアレクサが喋りだす。
「イチロー様!セットが完了したと同時に注意事項を話します。」
ここからアレクサがいろいろ話すが、要約すると僕が行く時代は内戦がちょこちょこあるらしく、一応平和な時を選んでいるけど保証はできませんということらしい。
へー上等じゃん!
僕はさっそく着替えた。
フッ!これを着る時がくるとはな。
メルカリでサイヤ人と名乗る奴から買った服を着て、僕のテンションはアゲアゲだ!
スマートタイムマシーンの入り口として使っている机の引き出しを開け、出発の準備は整った!
じゃ、行きますか!!
こうして僕のソクラテス潰し(個人的憂さ晴らし)の旅は幕を開いた。
続く